ハンコ文化と日本人・印鑑まめ知識

印鑑の材質・人工物で作る印鑑

 天然素材が好かれる印鑑業界ですが、もちろん人工物の印鑑も数多く出回っていますよね。もっとも多いのはプラスチックでしょう。安くてしかもすぐに手に入るプラスチックの印鑑。熱に溶けやすく、同じものが対象に販売されている危険があるため、実印登録の際には断られる事もあります。そうした観点から、プラスチックの印鑑イコール人工物として、三文判扱いとなる事が多いようです。プラスチックであっても、実印としては使えなくとも銀行印などでしたら問題なく認められますから、こだわらない人は意外と使っているようです。プラスチックなどの合成樹脂の製品が、かけやすい、割れやすいというのは確かにあるのですが、取扱いが雑になりやすいというのも破損の大きな理由の一つです。人工物でなくとも、きちんと手入れをして、大事に扱ったとしても、半永久的に使える素材はありません。
 また、木材を原料にしていながらも、人工的に手が加えられたアグニや彩樺なども、半人工物の素材と考えることができます。合金なども、人の手が加わったものですから人工物です。人工物は印鑑につかってはダメ、そんな意見もありますが、むしろ下手な自然物よりも質の良い物はたくさんあるのです。また、牙や角などの高級品として扱われない部分、つまりは安物扱いになってしまう部分を粉末にして、人工的に固めることで強度を持たせた製品などもあります。素材として象牙が大半であれば材料として象牙を名乗っている場合もありますし、パールなどそのままの形では印材にできないものを固めて作ることもあります。